ここ最近若い人たちの中でもしっかり将来のことを考えて資産投資を行う人が増えてきました。
バブル崩壊後の世代は良い意味でも悪い意味でも現実的であり、身の丈に合った選択ができる世代です。
この世代以降は活気のある日本を知らない世代の為、会社のお給料だけでなく自分でも資産を築く術を身に付けようと思うのも当然かもしれません。
ここ30年で日本では個人が将来に描く形は大きく変わってきています。
一昔前は終身雇用で卒業してから定年まで1つの会社で一生を過ごすのは当たり前でしたが、21世紀の現代は1つの会社の寿命も短くなり、個人が一生に複数の会社を渡るのも珍しくありません。
それと同時に個人の資産を自らの手でしっかり守り、作っていく必要も出てきました。
以前は年功序列で自然とお給料も上がっていましたがこれからの時代にはそのモデルは通用しないかもしれないからです。
この変化に気が付いた若い人たちは早い段階で資産を少しずつ投資し始めているのです。
これから投資を行っている人としていなかった人では将来大きな差がついていくと思われます。
貯金VS投資 この25年でどれだけ資産が変わるのか
投資を行い資産を作っていくライフスタイルが徐々に浸透してきている日本ですが、まだアメリカやヨーロッパの人と比べると貯金派が多いは事実です。
アメリカ、ヨーロッパと日本では働き方や福祉制度が全く異なるため個人が資産をどう扱うかもだいぶ異なっていました。
このことはこれからの 《日本の資産の守り方》でも詳しく説明していますが年功序列が機能しなくなってきた日本では今後アメリカのような資産の築き方が求められます。
これから世界の株価がどうなるかは誰にもわかりませんが、これまでの株価で投資を続けてきた人のデータは今から投資を始めていきたいと思っている人にとってとても役に立ちます。
ここに過去25年間、資産を運用している二人がいたとします。
二人とも毎月2万円ずつ貯めていたとして、一人はすべてを貯金に回し、もう一人はすべてを投資していたとしましょう。
毎月2万円を貯めるため一年で24万円になり、25年間続けると600万円となります。
貯金していた人は600万円ですが、投資していた人はどうなったでしょうか。
このグラフは1995年から現在までのアメリカの株価チャートです。S&P500というアメリカを代表する様々な業種の企業500社からなるもので、世界の経済の中心となるものです。
ITが世界をつなぎ、各業界の技術力も飛躍的に上がっていることもあり、この25年間のS&P500の株価チャートは驚異的な成長をしていることがわかります。
なぜこれだけの成長を遂げているのかというと、S&P500などの株価指数は決まった銘柄で構成されているのではなく一定のタイミングで内容のリバランスを行っているからです。
こちらが急速に成長し始めた時期からの主な株式の内容になるのですが、驚くことに1990年に主要だった企業と現在はほとんど入れ替わっています。
現在ではGAFAと呼ばれる世界的企業が勢力を誇っていることはご存じだと思いますが、これらの企業は2005年にはご覧の通りまだランクインしていませんでした。
このスピードと勢いこそがアメリカ経済の強みであり、それを味方に資産を増やすことができるのでアメリカ人は株投資をためらいません。
話を25年間投資してきた人に戻すと1995年に約400ドルだった株価は現在3200ドル以上になっています。
つまりは資産は約8倍になっているので投資した600万円は4200万円になっていることになります。
なぜ初めての投資はこれほど怖いのか?
投資を行うことにより資産がどのように増えていくのかというイメージが分かったところですが、皆さんの周りで資産投資を行っている人はどれだけいるでしょうか?
こちらは2018年に日本銀行によりまとめられた「資金循環の日米欧比較」というもので、家計における金融資産の構成を表しています。
投資というのは “株式=投資”ではなく、債務証券、投資信託も投資に当たりますが、このグラフを見ると日本人は<span class=”under”>投資を行うよりも現金貯金を好んでいる</span>ことが分かります。
日本人は個人資産の16%程度しか投資をしていないというデータが出ていますが、むしろ「みんな資産の16%も投資しているのか」と感じる人の方が多いのかもしれません。
なぜの日本人は他の地域に比べ投資に対してのマインドが低いのでしょうか。
ここ日本では勤勉に働くことが良しとされ、仕事以外でお金を得ることに対しあまり良い感情がありません。”投資” という言葉にも「ギャンブル」、「大損する」、「人生が狂う」といった負のイメージが今だに根付いています。
これはもともと企業の株に投資する文化が海外からやってきたものであることと、アメリカ経済が大幅に成長し始めた1995年以降、日本はバブル後で景気が停滞していたことに原因があります。
アメリカでは先ほどのグラフで紹介した通りアメリカ経済自体が成長しており市場全体に投資していれば資産を増やすことができました。ですがここ日本では経済全体が低迷していたため資産を増やす投資を行おうと思った場合、大きく成長しそうな企業を予測し投資しなくてはいけませんでした。
このような企業は成長すればメリットは大きいですが、大企業ではないので失敗してしまった場合は体力がないので再浮上は難しくなります。
素人目にはどの企業が成長を遂げるかわかりずらいためハイリスク・ハイリターンとなり “投資=ギャンブル” の構図が出来てしまい、投資経験のない人は投資は怖いものというイメージで二の足を踏んでしまうのです。
初めての投資における考え方のステップ
“投資=ギャンブル”というイメージを持っている人に話を聞くと大抵の場合は投資についての知識はゼロに等しいことが非常に多いです。
もちろんやり方によってはギャンブル性の大きい方法もありますし、どれだけ慎重に行っていても損失を出してしまう事もあります。
ですが投資はギャンブルではありません。ギャンブルというのは理論や法則のない確率だけの世界ですが、投資にはな株価が上がる理論やリスクを減らし世界の経済成長を味方につける法則があるからです。
これらを知らない人が資産投資にネガティブなイメージを持っているのです。
これから投資を始めていく人にはまず正しく資産を投資する考え方が必要になりますが、これらの考え方は全く難しいものではありません。
絶対に正しい投資法というものはありませんが堅実な投資法はいくつか存在しており、その中でも私は「長期・分散・積立」の投資法をおすすめしています。
この方法の特徴は
- 「長期」・・・長い期間投資運用し、経済そのものが成長することを利用する。
- 「分散」・・・特定の分野だけに投資するのではなく、様々な業種の企業、国に投資する。
- 「積立」・・・最初から大きな額は投資せず、少額ずつ積立して資産を築く。
この3点を徹底して行うことです。
この方法は世界の富裕層が利用するプライベートバンク等でも利用されており、成功例もしっかりしている方法です。
詳しくは《資産形成のヒント 世界の富裕層の投資術》で紹介していますが、この方法は特別な投資テクニックやセンス、経験は必要なく小さな投資が最終的に大きな額へとなる投資スタイルです。
この理論はわかってもどのように始めればいいのか、まずどこから始めればいいのかわからない人も多くいると思います。
先ほど紹介した「長期・分散・積立」の投資法は海外ではメジャーな投資法でしたが、ここ日本でも最近定着し始めており金融庁の政策である「つみたてNISA」は初心者にとっては特におすすめです。
「つみたてNISA」に関しては以前《最初の投資信託は「つみたてNISA」で始めよう》で紹介していますが、最長20年間、毎月少額を積み立てて投資していきく制度です。
最大のメリットは通常の投資で得た利益には20%の税金が掛かるのですが、「つみたてNISA」を利用した場合の利益はすべて非課税となる事です。
また「つみたてNISA」では20年間と長い期間が設けられ「長期・分散・積立」の方法がマッチしているため、金融庁がそれを基に少額でも始めやすい投資信託をピックアップしてくれています。
そのため「つみたてNISA」は初めて投資を行う人には最も適した制度といえるでしょう。
これからの世代には資産運用が必須
これからの私たちの金銭事情はこれまでとは大きく異なってきます。
終身雇用で長く働けばそれだけ給料も増えていき、一生涯安心して暮らしていける将来は怪しくなってきています。
そのため、これまでとは異なるアクションをしていかなくてはいけないのですが多数の人は不安を抱えたまま現状を維持してしまいがちです。
ですが、インターネットの発達したこの情報社会では新たなアクションの可能性の広がってきており、以前であれば世界経済に投資することなど考えられなかったのですが、グローバル化が進んだ現在では日本の株式を購入する事と同じ手順で世界経済に少額から投資することが可能になりました。
若い世代にはすでに投資に取り組んでいる人も多くなってきており、今後は投資を行っているかどうかで格差も出てくることは確実です。
ほんの少しずつでも将来的な資産となるのでもし興味があるのなら勇気を出して一歩目を踏み出してはいかかでしょうか。
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