「NISA」は貯金から投資へというキャンペーンのもと金融庁が定めた投資非課税制度です。
この制度は株などの投資の際にかかる利益の20%の税金が非課税となり、個人投資家にとって大きなメリット生み出すため、初めての投資をする人にも強い味方となっています。
「NISA」は2014年からスタートし、2016年からは「つみたてNISA」という異なるタイプの非課税投資制度も始まりました。
そして2024年から現行の「NISA」が新たな形に変更になります。
これまでの「NISA」と変更後の「NISA」では何が変わり、どう運用していくのが賢いかを解説します。
現行「NISA」と新型「NISA」の主な変更点
まず現行の「NISA」は、5年間、毎年120万円までの投資が非課税枠として運用できます。
120万×5年間なのでトータル600万円まで非課税になり、初めて投資を始める人よりも元々投資を行っていた人の利用が盛んでした。
そのため初めての投資へのハードルを下げた「つみたてNISA」が登場しました。
「つみたてNISA」では20年間、毎年40万円までの投資が非課税枠となります。
元々「NISA」は2023年までの制度でしたが、更に個人の投資を広めるため政府・与党は期限を2028年まで延長し2024年から新しい内容へと変更になります。
今回変更になる新型「NISA」は現行「NISA」と「つみたてNISA」の特徴が合わさったものになります。
最大の特徴は2階建て構造です。
1階部分には20万円分の「積立枠」があります。
この積立枠では「つみたてNISA」に適応しているような長期投資を目的とした投資信託などの金融商品を購入することになります。
1階の積立枠をクリアした人が2階部分で現行の「NISA」と同じ自由に投資できる枠を利用することができる仕組みです。
現行の「NISA」で自由な株投資だけをおこなっている人にとっては積立投資を行わなくてはいけないためとても煩わしい改正となりました。
ですがシステム上だけでなく金額面も変更があり、トータルでは年間2万円上昇しているメリットもあります。
新型「NISA」の上手な運用方法
現行型から大きく変化のありそうな新型の「NISA」ですが、どのように運用していけばよいのでしょうか。
今すでに「NISA」で投資を始めている人とこれから投資を始めて新型「NISA」を利用していく人で運用をまとめてみました。
現行「NISA」を利用している人
すでに現行の「NISA」を利用し株などの金融商品に投資している人は2024年からのを最長4年間利用することになります。
ここで一番注意が必要なのは年間120万円を個別株で毎年購入できている人です。
この場合、120万円ー102万円なので18万円分が「NISA」の非課税枠で運用できなくなってしまいます。
そして新たに20万円分を最初に安定投資の枠として購入する必要があります。
では、今まで満額で「NISA」を利用していた場合はどの株を手放すべきでしょうか。
新しく設けられる安定投資枠は長期運用を目的とした金融商品の購入に定められています。
その商品は現段階では「つみたてNISA」と同様のインデックスファンドになる可能性が高いです。
つまり、安定投資枠で購入したファンドの中に自由投資枠で購入した株が含まれている場合は2重で同じ株を買うことになります。
「つみたてNISA」適応のファンドは海外株のインデックスファンドも多くあるため、上手く利用するためには年間の自由投資枠である102万円では買うことができない株を持ったファンドを購入するのがベストとなります。
こちらで「つみたてNISA」ではどのファンドを購入すべきかまとめていますので気になる人は《「つみたてNISA」について》を確認してみてください。
「NISA」を利用し初めての投資をする場合
これから投資を始めていきたいと考えている人にとって「NISA」や「つみたてNISA」は普通に投資を行うよりも個人投資家にとって断然有利な制度です。
現行の「NISA」と「つみたてNISA」は同じ非課税枠でありながら全く異なる性質ですが、同時に利用することは出来ずどちらか一つずつしか使うことは出来ません。
そして2024年から始まる新型「NISA」は安定投資を促すつ積立枠ができたことで「つみたてNISA」に近づいたシステムになります。
そのため安定投資をメインに考えている場合は「つみたてNISA」を利用したほうが期間も金額的にもメリットは高いです。
逆に安定投資枠はおまけと考える人には新型の「NISA」は向いています。
安定投資といわれる投資信託も個別株も性質や運用は異なっても同じ投資なので損失はあり得ます。
ですが両方を運用すればそれだけリスクとリターンをコントロールしやすくなるので新型「NISA」は安定したリターンを得る一方で、リスクを負って高リターンも求めたい人のケースで最も効果を発揮します。
新型「NISA」は実際どうなのか
2024年から新しいシステムへと変更になる予定の「NISA」ですが正直なところ個人投資家からの評価はかなり低いです。
現行の「NISA」を利用している人は大きな利益を出した場合に非課税になるのがメリットという人が多く、少額投資は非課税でなくても良いと思っていることが多いです。
また安定投資をしたい人にとっては20年間の長期投資ができる「つみたてNISA」の方が有利です。
まだ運用が始まっていないためわかりませんが投資を考えている人は現行の「NISA」であるうちに始めたほうが良いかもしれません。
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