お金に関する事だけでなく、何か行動を起こすと必ずリターンに見合ったリスクが付いてきます。
良い部屋を借りようと思えば家賃は高額になりますし、急いで階段を昇れば転ぶ可能性が高まるように目的が高いほどリスクが高まるのがこの世の原則です。
投資においては特にその傾向が強く、リターン目標が大きくなるほどリスクも同じように大きくなります。
通常投資を始める際は自分で投資信託の説明を読んだり、ポートフォリオを作って自分でリスク管理をするのですが初心者にとって何をすればいいのか全く分からないと思います。
そのような人のために最近ではリスクの見える化をしているファンドも出始めていて、中でもウェルスナビ(Wealth Navi)はリスクをビジュアルでわかりやすく説明しているので、今回はそれを元に投資におけるリターンを上げるとリスクはどう変わるかを見ていきましょう。
ウェルスナビの投資哲学
まずリスクの話の前にウェルスナビについてご説明します。
ウェルスナビ(Wealth Navi)は2016年に誕生した投資サービスで、証券会社などで利用するのではなくパソコンやスマートフォンのアプリから直接登録して利用する投資サービスです。
最大の特徴はCEOの柴山和久さんが世界の富裕層が利用するポートフォリオをベースに作った内容に投資できることです。
その内容は人間ではなくプログラムによって管理されているので、感情で左右されることなく合理的に長期で資産を増やすことができるので利用者が年々増えています。
このような新しい投資法を「ロボアドバイザー」と呼び、アプリ内で投資のサポートを受けることができます。ウェルスナビでもその機能があり診断結果によって自分に合ったリスク度で投資を行ってくれるのです。
ウェルスナビはリスク分散や、運用状態がすごく見やすいので投資に苦手意識がある人にもわかりやすい作りになっているよ。
リスクを意識して投資してみる
投資を行う場合リターンとリスクははぼ同じ比率になるのですが、リターンの高い攻めたポートフォリオ、リスクを抑えた守りのポートフォリオが存在します。
ウェルスナビは世界の富裕層が利用する投資法がベースなのでそのポートフォリオの内容がとても参考になるので見ていきましょう。
リスク許容度1
最もリスクを低くした投資では「米国国債」、「物価連動債」の債券で半分以上を占めています。
債券は投資の世界では安定資産の代表的な存在で、割の良い銀行貯金のようなイメージです。
銀行貯金のように利息が毎年付くのですが「日本国債」は年利0.05%程度のところ「米国国債」では1%~3%ほども年利が発生します。
国債とは国にお金を貸し、それを国から返してもらう投資です。つまり、国がつぶれない限りは保証されているためマイナスになる事は滅多にありません。
「米国国債」に加え30.0%保有している「物価連動債」は物価指数によって元本額が変わる国債です。通常、株式や国債などの投資は投資した額で元本が決まっています。マイナスはなくても20年前に100万円投資したとして、インフレしていたら当時の100万円が今も同じ価値を持っているとは限りません。
そこで「物価連動債」を入れることで数字的には増えていてもインフレのせいで価値は落ちてしまったという失態をなくすことができます。
株式のリスクをかなり減らした投資で、このレベルは資産を減らさないことに重点を置いています。
☆リスクの低い投資をを目指すなら債券が多い投資がおすすめ
リスク許容度2
先ほどに比べリスクを少し上げた投資では「物価連動債」の割合が急激に下がって、代わりに株式、特に「米国株」の割合が増えています。
この理由はウェルスナビが長期投資を基本としているので15~20年スパンで見たとき「株式」は増えているケースがほとんどで「物価連動債」よりも効率よく上昇するからです。
「米国株」は世界の中心としてここ100年以上右肩上がりで株価を伸ばしてきてるので20年間投資できれば成長している可能性は高いです。日欧株は先進国と呼ばれる括りの株式で成長度合いよりも安定性が高い株式です。
☆現役世代は最低でもこのリスクをめざしましょう!
リスク許容度3
ウェルスナビの中では中間のリスクを取った投資です。
ここで「株式」の割合が「債券」などの資産を超えてきました。
ただ、だから攻めた投資法なのかと言われればウェルスナビ自体は安定して資産を伸ばす投資なので普通のファンドと比べればまだ守りの投資の割合です。
米国、日欧株で半分の割合を占めますが、この2つが長期投資ではメインになります。
☆米国、日欧の株は安定成長を目指せる
リスク許容度4
リスク度4では債券の割合がぐっと減り、代わりに「新興国株式」、「金」の割合が増え全体的にバランスよく組まれています。
「新興国株式」ですが、他2つの株式とは違い将来成長は見込まれますが値動きが激しい投資です。長期投資で20年後には大幅な成長が見込めますが不況の時ダイレクトに下がるのが難点といえます。
一方で「金」は安定資産枠で「債券」の代わりです。
「金」自体は価格が変動しているため値下がりすることもありますが、不況になると「株式」を売却して「金」を購入する投資家が増えるので不況時に強い金融資産です。「新興国株式」のデメリットを「金」のような安定資産のメリットでカバーできることを覚えておきましょう。
☆リスクを増やしたら安定資産も増やすとGOOD
リスク許容度5
8割以上が株式になり、リスク度1から見たらかなり攻めすぎと感じるかもしれませんが通常の投資信託を利用すると「株式が100%のファンド」はたくさんあるので、この割合は長期投資ではすごく良いバランスです。
この株式の割合は「全世界型投資」といわれるタイプで長期で資産を築きたい投資に好まれます。そこに「債券」、「金」、「不動産」の「株式」以外の投資が入ることで不況時のリスク分散をすることができるのです。
ウェルスナビを利用する投資家はリスク度5である人も多く、私もリスク度5で運用を行っています。
☆全世界型投資はある程度リスクを取った投資法で長期ならおすすめ
ウェルスナビのリスク診断は登録なしでウェルスナビホームページの無料診断から行うことができます。
自分に合ったリスクを教えてくれるだけでなく、そのリスクで投資した場合将来どれくらいのリターンになりそうかも見せてくれますので是非確認してみてください。
リターンではなくリスクから考える長期投資へ
投資をしようというと多くの人がたくさん利益を作りたいと思うでしょう。
それ自体は目標として悪くはないのですが、それが1年だったり、半年だったりと期間が短すぎるように人が多いように感じます。
短期間でたくさん伸ばしたいということはそれだけ大きなリスクを取って綱渡りをしているのですが、そういう人ほどリスクに目を向けないでリターンばかり追ってしまっていると私は考えます。
投資の本来の意味は「最初に代償を払い、最終的にそれを上回る利益を手に入れること」です。リスクが大きすぎて50%は元本割れするようなものは投資プランとして良くありません。
今回ご紹介したようなウェルスナビのように自分の投資の目標を決め、それに合った期間、リスクを元に投資を行う事が最終的な利益を手にできる近道ですし、世界の金融リテラシーの高い富裕層もそのようにリスクを意識して投資を行っています。
投資を装ったギャンブルで損をしてしまう前にリスクはどれだけあるのかを確認して長期で投資を行う事が大切です。
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