投資に少し詳しくなると目にする言葉、単利と複利。
普段の生活では使う機会はなく、学校でも習わない言葉なので馴染みは少ないと思います。
ですが、投資の世界においては複利効果を生かさないのは大変もったいないです。
この複利効果は額が小さい頃はあまり効果がみられないものの、積み重ねを繰り返していくと単利のみの場合とは全く違った結果になるのです。
実はあなたのこれまでの行動にも複利効果は深くかかわっており、意識して生活していけばこれからの人生にも影響を及ぼすくらいの存在です。
投資だけではもったいない複利はどんな効果を持っているのでしょうか。
単利、複利とは何か?
単利と複利は投資の世界ではよく出てくる言葉ですが、普段はあまり使うことはないでしょう。
簡単に説明すると複利は利益が利益を作る事、単利は一定の数に対し利益が付く事を表します。
例えばベースとなる数が増えていくゲームがあるとします。単利も複利も最初のベースの数は1だとしたら、単利の場合は1+1=2、2+1=3、3+1=4、、、といった元の1がずっと増え続けます。一方複利の場合1+1=2、2+2=4、4+4=8、、、といったようにベースの数自体が増えるような考え方が複利です。
元となる数が増えるかどうかが単利、複利の最大の違いです。
実際の福利効果は上の計算ほど倍々には増えないけどとても大切な考え方なんだ。
投資における単利の考え方、複利の考え方
簡単に単利、複利の違いを紹介したところで投資を行う時にどのような感じで効果が表れるか見てみましょう。
単利の考え方
この考え方が単利の考え方です。
最初の元本に対し同じ額で利益発生していることが分かります。
金融商品で言えば国債や不動産、クラウドファンディングなどが挙げられます。
簡単にいうと利息がすぐに手元に入ってくるシステムで短期で利息が確定するのが特徴です。
具体的な例はアパート経営の家賃がわかりやすいでしょう。
アパートは土地、築年数、作りによって価格が決定します。一棟3500万円の中古アパートなら年間の実質利回りは3.5%くらいになるので年間の利益は123万くらいになります。
価値3,500万円のアパートの利益
- 35,000,000×0.035=1,225,000
投資の鉄則として “元手に対し〇%の利益が発生する” という考え方なので元手が変動すれば利息が変わります。
アパートの場合は築年数が経っていくと価値が落ちるので購入時3500万円でも10年後は2500万円の価値しかないかもしれません。そうなったら家賃も減らさないと入居がないので収入は減ることになります。
価値2,500万円のアパートの利益
- 25,000,000×0.035=875,000
実物の資産は時間と共に資産価値が減る事があるので気を付けないと「逆複利」状態になりかねないので注意です。
複利の考え方
複利ではこのような考え方をします。
最初の元本に利益が足され、新しい元本額が更新されています。
金融商品で言えば再投資型の投資、希少品などがあります。
何らかの要因で元手(元本)の価格が増えていくものが複利効果を発揮します。
例えば故人の有名画家の作品は世界に一つしかなく今後増えることもありません。年を追うことに美術的な価値はどんどん高まっていくので購入した時よりも10年後には高騰しているでしょう。
投資では毎年元本に対し〇%という「含み益or損」が発生します。それの他に投資では配当金や分配金といった名前の別の利益があります。
「配当金」というのは企業に対し株式の購入という形で資金を提供してくれた投資家への分け前のことです。
利益の一部を企業から貰えるシステムなので決算月に貰えることが多く、この配当金の有無は投資家にとっても一つの判断基準になります。ちなみに同じものが投資信託の場合は「分配金」と呼ばれます。ファンドが企業の株を購入してるのでファンドが配当金を受け取ります。その配当金を投資家へ分配するので「分配金」です。
このように投資で得た利益を元本にそのまま再投資することで元本が増え、その元本をベースにまた含み益、分配金が発生するのが複利運用です。
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この方法でも元本は増えるけどそれだけだとちょっと少ないから毎月積み立てて投資を行うことが大切なんだ。
複利を意識すれば人生が変わる。
ここまでは投資に関する事をメインにお話ししてきました。
複利運用は投資において大切なことですが、実はあらゆることで通用するとても有益な考え方です。
複利効果については相対性理論で有名なアルベルト・アインシュタイン博士が「複利効果は人類最大の発明」とまで言っています。
アインシュタイン博士ほどの天才にこれほど言わせる複利効果の価値はどれほどのものなのでしょうか?
学校や会社、家庭に入ってもその環境で学べる事はたくさんあります。あまり意識しないかも知れませんが、何かを学ぶ時には必ず元となる知識が必要です。
例えば「掛け算」をするためにはまず、「数字を覚える」という事と「足し算を身に付ける」という事が必要になります。それが揃ってはじめて掛け算の理屈がわかります。
ここで重要なのは「掛け算」ができるようになること次に「割り算」ができるようになることです。
つまり今の私たちも同じで、「~をしたから~になり、要因が合わさって~が発生する」という積み重ねで今の自分があります。
人生が変わるというのは大げさではなく、複利の力はそれほどに大きいのです。
投資で複利を生かすためには?
人生においても「複利」のパワーは大きな力を持っていますが投資でも絶対に利用すべきものです。
複利の力を生かすためには分配金などの利益は必ず再投資する設定にしてください。
投資信託を購入する際に受け取りor再投資を選ぶ事ができるので始めに設定しておけば後は自動で行ってくれるはずです。
最近では複利効果の重要性が高まってきているので「つみたてNISA」などの制度では分配金再投資型のファンドがほとんどになってきています。また、元本を増やしていくことで利益は増えていくので自分の力でも元本を増やしていく事が大切です。
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単利と複利では同じ投資を行っても結果に大きな差が生まれてくきますし、複利の考え方は人生でも役に立つものなので覚えておきましょう。
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