投資のみならず不況時には自分の仕事、生活にも不安で新しいことを始めるのは気持ち的に難しいかもしれません。
日本では失われた30年といわれる不景気からずっと脱出できずにいますが、世界では30年間順調に経済が成長してきました。
ITショックや、リーマン・ショックが起きた当時は一気に株価が暴落し資産を失った投資家もいますが、そのまま投資を続けていれば株価暴落を受けても現在はしっかり資産を築けているのです。
実は株価が下がっている時こそ投資を始めるチャンスなのですが、投資未経験の人にはリスクばかりに目が行ってしまいそのチャンスを逃がしてしまっていて正直もったいないと感じています。
今回はリーマン・ショックでも投資を続けた場合、資産がどれだけ増えているかを考えてみましょう。
不況時こそ投資を始めるチャンス!
せっかく始めた投資でいきなり資産が減ってしまうと怖くなり、やる気もなくしてしまうのは新米投資家あるあるです。
投資には当然リスクもついて回るものですが始めたばかりだと希望の方が上回ってしまい利益ばかり考えてしまいますが、現実の投資はそんなにうまくはいきません。
なかなか結果が出ない月日を我慢できる忍耐力がなければ投資家として成功できないのです。
特に不況時を経験する事が投資家にとって一番厳しく、これまで着実に増えてきた含み益が一気に減っていくでベテランの投資家であっても結構メンタルをやられます。
ですが、これはここまで投資をしてきた人の話で、これから投資を始めようと思っていた人にはまたと無いチャンスです。なぜなら相場よりも株価が下がりバーゲン状態になっているからです。
投資で大事なのは「安く仕入れ高く売る」事で商売の理屈と全く一緒なんだ。
上手な投資家は下げ相場でも慌てず行動しているよ。
リスク・プレミアムという考え方
日本ではまだあまり定着していない「投資」ですが、正しく行っていけば将来大きな資産を作ることが可能です。
ですが、もちろんリスクもそれなりにある事は理解しなくてはいけません。
リスク・プレミアムというのはあまり聞きなれた言葉ではないかもしれませんが簡単に言えば “リスクを取ったからこそ得られた利益” という言葉です。
投資を行うリスクを負うことで将来資産を得ることができ、投資のリスクを負わなかった人よりも余裕のある生活ができている人が多くいます。
このグラフは下げ相場から上げ相場になる時に毎月つみたて投資を始めた人のグラフで、点がある時に定額で投資しています。
投資初心者の考え方でよくあるのが「今株価の調子がいいから」投資を始めようというケースがよくあるのですが、初心者の人は経験がないので “調子がいい” と感じたときにはこの黄色の点を過ぎて相場を超えてしまったタイミングであることがほとんどです。
そのまま株価が上がっていけば問題ないのですが株価は上げ下げするのでグラフの最初のような下げ相場に必ず遭遇します。
グラフの黄色い点は株価が落ち込んでいる時期なのですが、ここで投資ができるかが投資家のマインドとして重要です。
このグラフの人は下げ相場にもかかわらず投資をスタートしたことで株価が安くなったタイミングを逃さず購入することが出来ました。それにより最初は含み損しかなかったかもしれませんが後から見ればそれにより大きい利益が作れているのです。
リーマン・ショック前から投資を始めていたら
21世紀に入ってからも大幅な株価暴落は何回か起こっていて、その中でも大きなインパクトを残したのがリーマン・ショックです。
当時100年に1度の暴落とまで言われた騒動ですが、10年経ったアメリカでは現在暴落前の株価よりもはるかに株価が上がっています。このことからも長期投資の大切さ、10年~20年の投資を目指せば暴落があってもカバーできる事がわかります。
リーマン・ショックは2008年9月の出来事なのですが、今見ると2008年に入った段階ですでにに下げ相場に入っていました。そこに追い打ちをかけるようにリーマン・ショックが起こり株価が大荒れになったのです。
今回は2005年1月から現在まで毎月一定額を積み立てて投資をしているAさんがどのような資産状況になっているかをシミュレーションしてみましょう。
2005年~2007年の間は上げ相場でとても順調に投資をスタートし、投資なんて怖くないと思っていたでしょう。ですが4年目に下げ相場、リーマン・ショックを経験します。
ここから1年でAさんの含み益は0になり、資産は-20%まで減少しました。
ここで投資をやめてしまったら失敗だったのですが、Aさんは長期で投資をする重要さを知っていたため継続して投資を行いました。
その結果、2009年には下げ相場が終了し2010年には含み益が復活、その後も着実に利益を作る事が出来ています。
面白いことに4年目の時と15年スパンで見たときリーマン・ショックでAさんが受ける影響は全く異なります。
4年目にリーマン・ショックに当たった時は今まで積み上げた含み益が一気になくなり含み益が増えていく投資の怖さを体感したでしょう。しかし、15年スパンで考えると暴落した相場で積み立て投資ができているので平均取得額を抑える事が出来たのです。
短期的には危険な株価暴落も長期投資ならばむしろ恩恵を受ける事ができます。
Aさんの最終の平均取得額が15883だから含み益は約64%くらい。
おおよそ毎年4%くらい資産が増えているイメージだね。
リスクを抑えた方法「つみたてNISA」を利用しよう!
投資でのリスクとは売却時に不況の株価暴落が来てしまい売るに売れなかったり、タイミング的に売却はしたものの本来よりも利益が15%も低くなってしまうなど売却時によく起こります。
そして初心者投資家に漏れがちなポイントがあるのですが投資で得た利益には税金がかかります。
かかる税金は2つあり、1つ目は売却時に出た利益にかかる「譲渡益課税」、もう一つが分配金、配当金などにかかる「配当課税」です。
このどちらも税率はおおよそ20%なので、実際にやってみると思った以上に削られるという印象があります。
例えば、売却時に利益が60万円出たとした場合、60万円に20%の税金がかかり手元に入るのは48万円です。
リーマン・ショック前からを15年間投資を行ったAさんも本来64%資産が増えているのですがそこから更に20%引かれしまい、これだけ長く積立を行っていれば税金分は100万円を超えてしまうでしょう。
実はAさんの投資は最後の年に不況入りしているので2019年→2020年で含み益が20%ほどダウンしているのですが、このタイミングに売却せざるを得ないならプラスで税金がかかってしまうのはかなりの損失です。
このようなリスクが目立ってしまい投資が広まりにくいと感じた政府は “貯蓄より投資” を広めるために投資家への優遇制度をいくつか発表しており、Aさんのような投資スタイルに最も適している制度が「つみたてNISA」です。
一足先にはじまった「NISA」に似ているのですが、「NISA」「つみたてNISA」共に最大のメリットは投資で得た利益が非課税になる事です。
投資を続けていくうえでリーマン・ショックなどの大幅な下げ相場を乗り越えるコツは淡々と積み立て投資を続けていく事ですが、長く投資をするのならば優遇制度を使わない手はありません。
Aさんの場合だったら2020年に暴落で含み益が20%減っていますが「つみたてNISA」を利用していれば税金が免除されたのでそのマイナスをちょうどリカバーできていたでしょう。
不況時にできる投資への準備
株価の相場が下がっていき連日ニュースでも報道されると投資初心者は不安になり投資をやめてしまったり、これから投資を始めようと考えていた人は相場が上がって来るまで待とうといった感覚になります。
ですが、Aさんの投資のように長い期間運用していればリーマン・ショックのような大暴落にも耐え、下がった株価で購入できていたことが後に利益になって帰ってきます。
株価が下がったタイミングは始めるには最高のタイミングですし、現在では「つみたてNISA」などの優遇制度も誕生していて環境も整いました。
もし投資に関心があるので今から始めても遅くはないのでチャレンジしてみるのをおすすめします。
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