投資を始めるのは勇気がいるので誰かにアドバイスをもらえると安心できるでしょう。投資は自分の大切な資産を使うものなので慎重になるのも当然です。
定期預金の満了や新たに定期を組もうと考えている人に銀行では「代わりに投資信託はどうですか?」とアドバイスをしているそうです。
貯金から投資へというキーワードもありますし、「貯金=今の蓄え」「投資=将来の蓄え」なのでこの提案は間違ってはいません。窓口でもパンフレットを元に投資信託の仕組みについて親切に説明してくれます。
ですが、そのまま窓口に言われたように投資を行うのは要注意です!
銀行ではおすすめの投資信託を紹介してくれますが、これはあなたにとってのおすすめなのでしょうか?
銀行スタッフが数点紹介してくれますが投資信託は実際は数えきれないくらい存在しています。銀行のおすすめはその中でも優れているのでしょうか?
個人の意見にはなりますが、正直に言うと「限りなくNOに近い。」というのが本音です。
始めて投資に触れる瞬間が銀行窓口になるという人も今後いるかもしれないですが、正しい基準を知っていれば失敗を避けられるかもしれません。
窓口がすすめる投資信託はどんなもの?
仮にあなたが窓口スタッフだったとしましょう。
お客様が10年定期を解約しに来店し、そのまま帰してしまったらそのお客様との取引はなくなってしまいます。銀行は一般の人からお金を預かり、そのお金を企業に貸して利益を得るビジネスを展開しているので定期解約は損失でしかありません。
以前は新たに定期を組んでもらいお客様とのつながりを維持していましたが、金利が低い時代になったため企業から得れる利益が少なくなってきました。そこで生まれたのがお客様に投資信託を組んでもらい手数料をもらうビジネスです。
銀行で説明していましたが利用する銀行で誤差が出ると思うので郵便局を例に紹介すると
このような投資信託をまず紹介されます。
この投資信託を運営しているのはJP投信株式会社という会社で、JP投信株式会社はゆうちょ銀行、日本郵便、三井住友、野村ホールディングスの4社からなる日本郵政グループの運用会社です。
この投資信託は利益が出ないファンドではないのですがクオリティーは正直あまり高くありません 。ですが、郵便局の窓口ではこの投資信託をすすめるようにマニュアル化されています。
なぜ、必ずこの投資信託をおすすめすることになっているのかというと日本郵政グループの投資信託だからです。定期解約などで資金が流出しまう前に自社の投資信託をおすすめすることで顧客の流出を防ぎ、購入手数料や信託報酬を得るビジネスモデルなのです。
もちろん、銀行や郵便局も一企業なのでこれを否定する事は出来ませんし、安定性は高い投資信託なので初めての投資ならWin-Winかもしれません。ですが、少しでも投資の勉強すればネット証券にはもっと優れたファンドは山のように見つかります。
窓口のおすすめ投資信託は誰にとってのおすすめなのかをよく意識し、商品選びのポイントを自分なりに身に付けておくのが重要です。
窓口VSネット証券 商品の違い
窓口で購入できる投資信託とネット証券で利用できる投資信託は種類の多さ以外にどんな違いがあるのでしょうか?
投資信託には大きく分けて「アクティブファンド」と「インデックスファンド」の2種類があり、それぞれ運用の仕方が異なります。
アクティブファンドはそのファンドのスタッフが目利きをし、ニュースなどで言われる株価指数を上回るようことを目指す運用を行います。大企業よりもマイナーな企業への投資が目立つ攻めた投資が特徴です。
対してインデックスファンドでは、インデックス=株価指数と同じ動きをするように運用を目指します。独自のチョイスは控え、株価指数の配分に似た株を買っていきます。目標の株価指数と連動するのでテレビニュースで見る動きが評価額の動きになります。
窓口で販売される投資信託とネット証券で販売される投資信託ではこの二つのバランスが異なり、窓口ではアクティブファンドの割合が多く、ネット証券では半々くらいです。
投資信託を選ぶときに絶対注意してほしいポイントはリスクがどれだけあるか?という点なのですが、ここでいうリスクは運用しても利益が出ない、投資先が偏っている、信託報酬や手数料が高いといったことで、これが2つでも該当したらその投資信託はやめた方が無難です。
先ほど説明したアクティブファンドとインデックスファンドで既ににリスクに差があり、アクティブファンドの方が利益が出にくいにも関わらず手数料が高いファンドの割合が多いといわれています。
そのため、相当優秀なものでない限りはアクティブファンドよりもインデックスファンドの方がおすすめです。
窓口にある投資商品の特徴
窓口ではアクティブファンドが多いと言いましたが窓口でおすすめされる投資信託もだいたいアクティブファンドです。
アクティブファンドが必ず悪いわけではないですが、手数料などの金額は高くなります。
投資信託を利用する際には信託報酬というファンドを運用するための手数料と、投資信託を購入するときと解約するときに発生する販売店への手数料があります。
最近はノーロードと呼ばれる購入手数料無料の投資信託が増えてきましたが窓口でおすすめされる投資信託はほぼ購入手数料がかかる投資信託です。
この理由は先ほど郵便局のファンドと同じで手数料ビジネスだからです。窓口で投資信託を購入する人はほとんどが投資未経験のため、窓口スタッフのおすすめ投資信託を販売しやすく手数料は特にその金融機関を収益になっています。
これは先ほどのJP4のファンドですが、JP4の中にも「安定コース」「安定成長コース」「成長コース」という3つのコースがあり、その人の考え方によってこの中からチョイスできるようになっています。
これはうまいこと出来ており、だいたいの人は年齢や資産状況によってこの3つのうちどれかに当てはまります。
3つの中から選ぶ事ができるので利用者は自分で選んだように感じるかもしれませんが、この3つはすべてJP4資産バランスファンドという1つの投資信託の中にあり、この投資信託を運営しているのが日本郵政グループなのでどれを選んでも日本郵政が契約を結んだことには変わらないのです。
このように窓口のファンドは自社運営の投資信託から選んでもらうようなシステムになっています。
商品選びが将来の資産にどれだけの差を生み出すか
窓口で投資信託の販売を受ける際は必ずカラクリがあるとお伝えしてきましたが、安定性の高いファンドでもあるので初めての投資ならいいのかもしれません。ですが、ネット証券には更に優れるファンドがたくさんあります。
そのため、もしあなたが資産を持っていてこれから投資を始めようと思っているならばネット証券を利用した方が賢いと思います。
商品 | 開始時の資産 | 購入手数料 | 投資できる金額 |
---|---|---|---|
窓口のファンド | 100,000円 | 1,100円 | 98,900円 |
ネット証券のファンド | 100,000円 | 0円 | 100,000円 |
この表は窓口でおすすめされる投資信託とネット証券で購入できる投資信託の運用を比較したものになります。
郵便局でおすすめされるファンドである「JP4バランスファンド」は購入手数料が1.1%です。窓口で投資信託を組む時には定期解約などのタイミングが多いのでまとまったお金で購入するケースがほとんどだと思いますので、もしかしたら上の表よりも手数料は0が一つ増えるかもしれません。
一方でネット証券で増えて生きているノーロード投信は購入時手数がないので投資した金額をそのまま購入できます。
これだけだとあまり差はない様に感じるかもしれませんが、まとまったお金をいきなり用意できる人はあまりいません。
それなので投資で資産を築いているほとんどの人は毎月定額を投資するように資産を積み立て、長い期間をかけ投資を行っています。
毎月20,000円ずつ投資をしていった場合、1.1%の手数料は毎月220円ですが一年間で2,640円で、10年間続けば26,400円まで膨らみます。
投資の面白い点の一つですが、リスクはリターンと比例しますがコストは結果と比例しない特徴があり、費用の高いファンドがほとんど無料のようなファンドに運用実績で負けることが多々あります。
実際に郵便局の窓口で売られている手数料1.1%の投資信託「JP4 資産バランスファンド」は最も攻めたリスクを取るタイプで3年間リターン10.64%でしたが、購入手数料なしの投資信託「e MAXIS 全世界株式インデックスファンド」は同じ期間で30.33%評価額を増やしています。
窓口のファンドは購入時に元手を削られ利益率も低い投資信託かもしれませんので即決しないよう注意しましょう。
ネット証券で選ぶべき商品のポイント
ネット証券は初めて投資を行う人にはハードルが高いのではないかと聞かれることがありますがポイントさえ意識できればむしろ窓口で購入するよりもずっと良い商品を探しやすいです。
窓口ではスタッフがパンフレットで親切に説明してはくれますがファンド名を見るだけではどのファンドが良い投資信託なのわかりません。ですが、ネット証券を利用できれば必要な項目にチェックを入れれば自分に合ったファンドを自分のペースで探すことができます。
楽天証券の場合はこのようにキーワード検索で検索できるほか、投信スーパーサーチで項目検索が可能です。
窓口では紙面での紹介でスタッフにしか資料がないので確認できない項目もネット証券ならランキング形式で表示されます。
例えばこちらは「海外株式」「インデックス型」のみの項目で検索したランキングになるのですがこれだけの条件でも上位で出てきたファンドは全部購入手数料無料のファンドでした。
ちなみにこのタイミングはコロナウイルスの影響ですべての株価がマイナスなのでトータルリターンは参考にしないでください。
このランキングは楽天証券のユーザーの買付でランキングを決めているので先輩投資家がリアルに選んだ投資信託なので実績があるものばかりです。そのため項目にチェックしランキング5位以内なら窓口よりも優良ファンドの確率は高いといえるでしょう。
定期解約の際は正しい選択が将来を決める!
将来の為に銀行で定期にを組んだり、解約しに行った際に窓口で投資信託をおすすめされたり、投資を考えていて窓口へ相談に行くことがあるかもしれませんが、私としてはその場で契約しない事をおすすめします。
窓口で「投資信託は長い期間をかけ資産を増やしていく投資」という説明を受けると思いますが、だからこそ正しい商品選びが大切なのです。
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