投資を楽しむコツ コア・サテライト戦略を考える

最初の投資は投資信託などあまり難しくないものからのスタートをおすすめしています。

いきなり複雑なものを選んでしまうと要領を得ることも出来ず、大切な資産を失ってしまうだけでなく投資自体に対し悪い印象を抱いてしまうからです。

ですが、利益を出すことができれば投資とはとても楽しく、資産を作りながら趣味の一つとして自分の世界を広げてくれるものです。
実際、社会勉強として株運用を行っている人もいるように投資にはお金を作るだけではない側面も持っています。

投資では利益や趣味だけではなく自分だけの割合でポートフォリオを作り運用していく事も醍醐味です。リスクコントロールの為、興味のある分野への投資がしたいなど様々な理由で投資先を広げていくことで自分だけのポートフォリオができてきます。

ここからは投資信託で結果を出し、新たな一歩を踏み出したい投資家にどのような考え方で次のステップに行けばいいのかをご紹介していきます。

コア・サテライト戦略とは何か

自分の投資ポートフォリオを作っていくときに大切なのは必ず一定のリスクを超えないように組んでいくことです。
初めの投資で利益が出る事がわかるともっと利益の大きな投資をしたくなりますが、大きな利益を出せる投資には大きなリスクが付いてきます。

投資ではリスクとリターンが比例するようになっているので攻めすぎは厳禁です。

投資商品にはハイリスク・ハイリターンからローリスク・ローリターンのものまで数多くあり、それらを自分に合ったバランスで組み合わせる事で自分だけのポートフォリオを作っていきます。
この時によく取られる戦術こそがコア・サテライト戦略です。

コア・サテライト戦略とは「コア=核となる投資」、「サテライト=複数のサブ投資」の2種類に投資先を分けて投資運用をしていく考え方です。

出典;Wealth Navi ホームページ

この考え方は投資だけではなくビジネスなど他にも応用できる考え方なのですが、まず、コアを中心にして周りに複数のサテライトを作りトータルでバランスを作ります。
だいたいコアの部分は70%~80%くらいの割合で運用し、残りで色々試してみるのが良いでしょう。

ここで重要なのはコアは必ず堅実な投資法を選ぶという事です。
「コア=核となる投資」なのでここが不安定だとこの方法は運用がうまくいきません。私が初めの投資は投資信託が良いというのはこれが理由で、まずはコアの運用を安定させておく事で初めてサテライト運用を考えられるのです。実際に慣れないうちはコアのみの運用でも問題ありません。
リスク・リターンの高い投資は後からサテライトとして行うようにして下さい。

あなたの会社もコア・サテライト?

先ほどコア・サテライト戦略は投資以外にもビジネスにも使われるとお伝えしましたが、もしかしたらあなたの会社にもコア・サテライト戦略があるかもしれません。

例えば日ごろから使っている電車の企業「JR」ではこちらの《会社概要》から確認できますがとてもたくさんの事業を展開してます。

出典 : JR ホームページ

JRといえば電車の企業のイメージですが、駅に隣接するビルやホテルはJRが運営していたりと意識していないところで実はJRが活躍しています。

このように複数の事業を持つメリットはある事業の業績が悪くても他でカバー出来たり、新たな柱になる事業が誕生したりと多岐にわたり、この考え方は私たちの投資にも当てはまるのです。

コア・サテライト戦略の長所

コア=核となる投資、サテライト=複数のサブ投資というように投資先をいくつかに分けることでリスクをコントロールできるというメリットがあります。

例えばコアとなる投資で投資信託アメリカのインデックスファンドに70%、サテライトで残りで債券10%、リート10%、金7%、仮想通貨3%というようにポートフォリオを作ったとします。

ここで注意してほしいのはリスクが高いものほど割合は低くすることです。

このようなポートフォリオを組んだ時のメリットは不況時に金や不動産、債券は株式に比べ下がりにくいので全体の値動きの波が小さくなり、安定した運用ができる事です。
不況時の運用については《不況時の投資はどう乗り越えればいいのか》にも載せていますのでご確認下さい。

また、値動きが激しい仮想通貨ですので、全額仮想通貨で運用すると最悪大損失を出してしまいます。ですが、資産の3%なら失ってもカバーできますし、今後大きく伸びる可能性もあるのでこのようにハイリスク・ハイリターンの投資はサテライトでの運用であれば向いています。

また、これまでのデータが少ないのですが、仮想通貨は株価が下落したときにも影響なく独自の動きをしているのでリスク回避の選択肢に検討できるようになりました。
値動きはかなり激しく1週間で20%増減したりしますが、株価暴落時に20%上がる可能性もありますので試してみても良いでしょう。

このようにコア部分に安定の投資を用いているのでサテライト部分で新しい投資法を試すことができるのもコア・サテライト戦略の良いところです。

投資信託だけでコア・サテライト戦略は組めるのか?

投資信託は安定した運用法なのでコア運用が向いているとお伝えしましたが、投資信託にもさまざまな種類があるのでサテライト運用に向いた投資信託も存在します。

例えば

コア

  • 全世界型ファンド70%

サテライト

  • 日本株ファンド10%
  • アメリカ株ファンド10%
  • 新興国ファンド5%
  • テーマ型ファンド5%

このようにやれば投資信託だけでもバラエティーに富んだコア・サテライトが完成します。

この場合のコアファンドには全世界株の他に不動産や債券を含んだバランスファンドを選ぶ事でよりリスク分散ができます。
コアの考え方は先ほどと同じですが、投資信託だけでサテライトを組むのであれば応援したい国のファンドや、AIや再生医療などテーマを絞った投資信託をチョイスするのも面白いかもしれません。

同じ投資信託と言え、これはあくまでサテライト商品です。
特にテーマ投信は単体ではおすすめしていませんので絶対コア運用にしないよう注意しましょう。

コア・サテライト戦略はどのように取り組めばいいか

これまでコア・サテライト戦略を用いた投資法を紹介してきましたが投資の真の目的は「個人の資産形成」です。

メインであるコア投資で安定成長のものを選ぶようにすればまずは無理にサテライト運用を行う必要ありません。
コア運用が軌道に乗り、節約や生活の工夫により投資できる資産が増えてきた時に始めて考えれば大丈夫です。
まず半年~1年はコアのみの運用をしてみてください。

コア・サテライト戦略はリスクをコントロールしたり、興味のある商品にチャレンジしてみたりと色々なことができるので一人ひとり考え方によって正解は異なります。

より攻めた投資をしてリスクを取ってもOKという人は仮想通貨やFX、コアの投資信託の運用をより安定したものにしたい人には国債、定期預金で運用すると良いでしょう。

投資を面白く行うコツ

投資は自分の行動によって資産が増えていくのでうまく運用できればどんどんとても楽しくなってきます。

そして投資の面白さは正解は一つだけではないのでいろんなスタンスを持った投資家がおり、一人ひとり違ったポートフォリオで運用しています。

もちろんコアだけの運用でも問題はないですが、自分の価値観を広げる勉強にもなるので投資信託以外にはどんな金融商品があるのか、他の投資家はどんなポートフォリオで運用しているのかなど学んでみるのも良いかもしれません。

投資する事に慣れてきたら是非コア・サテライト戦術を試してみましょう!

コメント

  1. […] ちなみにもし1カ月3000円ずつだったとしても20年間なら72万円まで溜まっています。コア・サテライト戦略という投資の考え方についてはこちらで詳しく説明していますが「つみたてNISA」では自分のポートフォリオのコア(核)になるような商品を選びたいところです。 […]

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